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実験概要
滑らかな斜面を往復する台車の運動を調べます。

使用する製品
E31-8200-03 ワイヤレス力学システム DTS-GDX(Go Direct)

準備
器具:センサカート×2、カート用おもり(125g×2)、1.2m滑走台、ストッパー、棒付き反発バネ

実験条件
初期条件設定・・・棒付き反発バネを出した状態で、センサの位置をゼロに設定します。
滑走台の斜度・・・2.2°、3.0°、4.0°(低い角度が良い結果になります)
カート用おもり・・・おもりなし、おもり2個(125g×2)

実験の手順

①センサカートの棒付き反発バネをセンサカートから外に出します。

②滑走台にストッパーを取り付けます。

▲棒付き反発バネが飛び出て台車がスタート
反発棒が出ている状態で位置をゼロに設定します。

③滑走台に脚(1個)をストッパーの無い方に取り付けて、所定の斜度に設置します。 (斜度:2.2°、3.0°、4.0°)
④センサとPC端末を接続します。
⑤ソフトウェア上で「センサチャンネル」を選択し、「位置センサ」を選択します。
⑥ソフトウェア上の右下に位置の数値が表示されます。

⑦センサカートをストッパー側に寄せて、棒付き反発バネで距離をとって置きます。おもりを使うときは、このタイミングで載せます。
⑧位置を選択して、ゼロ化します。反発バネの棒が離れる瞬間が力のはたらかないタイミングになります。
⑨左下のモードのボタンを選び、測定の設定でトリガーを使います。トリガーの位置を閾値として0(ゼロ)にします。
⑦「収集」を選択すると測定が開始されます。

実験結果
下記の条件で実験を行ったデータ
サンプル①力学台車(センサカートのみ) 約290g 斜度2.2°
サンプル②力学台車(センサカートのみ) 約290g 斜度3.0°
サンプル③力学台車(センサカートのみ) 約290g 斜度4.5°
サンプル④力学台車(センサカート+カート用おもり2個) 約290g + 250g 斜度2.2°

図1 往復運動の速度の変化
サンプル①力学台車(センサカートのみ) 約290g 斜度2.2

折り返し後、マイナスの速度になる

図2 往復運動の位置と速さの変化の比較
サンプル②力学台車(センサカートのみ) 約290g 斜度3.0°

〔考察〕斜面の位置と速度の変化を表した。なお、おもりは載せていない。
斜面を登ると速度は次第に小さくなる。
速度0(ゼロ)で台車が頂点を折り返し、マイナスの速度を示すようになる。
速度の変化はほぼ一定で等加速度運動を示している。

図3 斜度による速さの変化の比較
サンプル①力学台車(センサカートのみ) 約290g 斜度2.2°
サンプル②力学台車(センサカートのみ) 約290g 斜度3.0°
サンプル③力学台車(センサカートのみ) 約290g 斜度4.5°

〔考察〕斜面の角度による速度の変化を比較した。おもりは載せていない。バネの力で初速が出るので、おおよそ同じ速度でスタートするが、角度によって速度の変化に差がある。角度が急であるほど、短い時間で折り返す。

図4 おもりの有無による速度変化の比較
サンプル①力学台車(センサカート+カート用おもり0個) 約290g + 0g  斜度2.2°
サンプル④力学台車(センサカート+カート用おもり2個) 約290g + 250g 斜度2.2°

〔考察〕斜面の台車におもりを載せて比較した。バネによる初速に違いがある。
しかし、速度の変化は斜度が同じときは変わらない、加速度は同じであることがわかる。