斜面を下る力学台車の速度の変化を調べる
実験概要
一定の力がはたらく斜面を力学台車が下るときの速さを調べ、どのように速くなるのか調べます。
学習の目標
これらのことが音の波形から判断できます。
モーション(距離)センサを滑走台の上に置き、センサから20センチ離れたところから力学台車を運動させます。センサで物体の速さの変化を捉えます。なお、滑走台の下には力学台車を止める金具をつけて力学台車が飛び出すのを防ぎます。
(具体的実験のしくみ)
斜面の上に台車を置いて手を離すと、台車は次第に速くなりながら、斜面を下ります。斜面にある物体は運動の様子を変える「力」が重力によってはたらいていると考えられます。
使用する製品
E31-8200-05 モーション(距離)センサ GDX-MD
C15-1624 力学台車 F-2型
C15-1576 力学台車用滑走台 DT-YA
用意するもの
傾斜計(分度器、スマホの計測アプリ など)、高さ調節する台、ビニルテープ
実験の手順
① 滑走台を所定の角度に合わせて、斜面の高さを調整します。センサ留め、台車のストッパーを取り付けます。
※滑走台の斜面は必要以上に角度をつけません。(おおよそ10度程度までが良い)
② 力学台車に音の反射板を取り付けます。
③ センサをセットし、パソコンとBluetoothでつなぎ、計測の条件を設定します。
④ 滑走台の上に、力学台車の力学台車の始発のポイントを設定する。センサからおよそ20センチ離れた位置に始点の目印のビニルテープをはります。
⑤ 始点に力学台車を置いて、センサが動き始めたら、力学台車から手を放します。
下りの斜面の運動
「センサ」の設定は「モーション(カート用)」を選択する。(図1)
「データ収集設定」は初期設定のままでよい。(図2)
実験結果
実験事例
・斜面傾斜角度10度
・力学台車(F2) 質量1Kg
力学台車の始点からの距離と時間の関係(図3)
直線的に速さが増しているのがわかる。
力学台車の速さと時間の関係(図4)
斜面傾斜の角度と速さの変化の比較
斜度10度(図5-1)
斜度15度(図5-2)
学習指導事例
『中学校3年生 1分野 力と運動の単元』の指導事例です。
指導案のねらいは、センサを使った力学台車の運動について探究することで、科学的な見方をはたらかせ、思考・判断できるようになります。
実験の様子
滑走台の長さは1m以内でできます。
斜面の角度は5°~10°の低めで良い結果が得られます。
スマホのアプリを使うと、斜面の角度を正確に測ることができます。
始点の位置をはっきり示す黄色のテープを貼ります。
そのとき、センサの「ゼロ化」を行うと良いです。
台車の運動の開始はここで手を放して計測を開始します。
参考資料
- 学習指導案(例)
『中学校理科3年生 運動とエネルギー(実験「斜面上での台車の運動」)』 - 中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 理科編より
第2章理科の目標及び内容 (5)運動とエネルギー アの(イ)の㋑ 斜面に沿った運動
「速度の変化については定性的に取り扱う」