だんだん遅くなる運動とだんだん速くなる運動
この実験の目的は、斜面上の台車にはたらく力の大きさをはかり、斜面上を運動する台車の速さの変化との関係を調べることです。
この実験の工夫は、速さの計測にモーションセンサを使い、坂を上ってから下りてくるまで昇り降りの運動を連続して測ることです。このことから、上り坂の運動の向きを考えることができます。また、運動の途中で一瞬静止する速さ0を扱うので、放物運動の検証として扱うことができます。
測定開始のスイッチを自動で入れるトリガー機能を用いることで、上り坂での実験の条件を整え、安定した実験をすることができます。
使用する製品
E31-8200-11ワイヤレスモーション(距離)センサ GDX-MD
E31-8200-10力学台車用滑走台(連結式) DT-YB
B10-2272力学台車 F-2型
B10-2272ニュートンメーター GN-1
用意するもの
傾斜計(分度器、あるいは、★スマホアプリを使うと正確に測ることがが可能です)、音の反射板、架台、仮止めテープ
実験の手順
【滑走台設置】
①滑走台は長さ1mでできます。
②滑走台に記録タイマー設置台、台車ストッパーを取り付けます。
③滑走台を架台にかけて、角度を測かります。傾斜はおよそ3~10°が適しています。
【センサ接続】
①モーションセンサのスイッチを入れ、アプリと接続します。
②データ収集設定でサンプリングレートを毎秒およそ50回、測定時間は5秒で可能です。
③滑走台に台車を置いて、距離を確認します。
④滑走台の台車ストッパーに台車を置いて、原点0cmセットします。
⑤スタートの位置の確認をします。センサからおよそ20cmに仮止めテープを貼って、スタートラインを示しまします。
⑥測定の開始のトリガーを確認します。測定開始前は5回測定で、測定開始は0cm通過時にします。
【測定】
①スタートラインに台車を置いて、センサーの「収集」のスイッチをオンします。計測はトリガーがかかってから、データ収集が開始します。
②台車に内蔵しているばねを利用して傾斜を下ってきた台車が折り返しの運動を行います。
③折り返してからの運動を計測します。
実験結果
【下るときの結果】①
距離の変化のグラフです。次第に曲線が急になっていきます。
【下るときの結果】②
速さのグラフです。等加速度運動が見られます。
【上り坂の運動から下り坂に変化する曲線】
①台車が上るにしたがって速さの減り方は一定です。下りるときも、速さの変化は上るときと変わりありません。
②速度が減って、速度0m/sのとき、上り坂の最高到達地点になります。
③頂点で折り返して下り始めると、速さは速くなります。しかし、運動する向きは逆にので、値がマイナスを示します。
④この運動を2往復させてみます。摩擦の影響で、2回目の運動の距離が短くなっているのがわかります。