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2010年 自然科学写真シリーズ

写真:伊知地 国夫

2010年1~2月 皆既日食

昨年の7月22日、日本では46年ぶりに皆既日食を見ることができた。皆既帯が九州南方のトカラ列島を通るため早くから観測場所の確保が話題となった。22日は残念ながら悪天候のところが多かったが、北硫黄島近海を航行したクルーズ船は幸い好天に恵まれ、6分30秒に亘る皆既日食を見ることができた(ぱしふぃっくびいなす号船上にて)。

2010年3~4月 タンポポの綿毛

植物は自分で移動することができないため、動物の体についたり、はじけたり、風に乗ったりなど、いろいろな方法で種子を運んでもらう。タンポポは綿毛をつくり、風に運ばれて遠くへと移動する。綿毛の元にある種子は、落ちたところの条件が合えば発芽し、生育場所を広げていく。

2010年5~6月 ハスの花

スイレン科の多年草。水中の地下茎から長い葉柄や花茎を伸ばして水面に葉を出し、花をさかせる。花は午前中早くから開き、午後にはしぼんでしまう。実は皮がとても厚く、発芽能力を長期間保つことができる。2000年以上前の地層から見つかった種を大賀博士が発芽させたことから、そのハスは大賀ハスとして知られている。

2010年7~8月 雲

昨年の7月22日、皆既日食をクルーズ船上で観測し船が帰途に向かっているとき、大きな雲の塊を見つけた。雲底の高さがきれいにそろい、中央の左側と右側には、雲の底から海面に向かって灰色の帯が見える。雨が降っているところだろうか。次第に遠ざかっていく雲を見飽きることがなかった。右の島は北硫黄島。

2010年9~10月 酒石酸の結晶

酒石酸はワインなどに沈殿する結晶成分。スライドガラスの上で再結晶化させ、偏光顕微鏡で撮影した。偏光板の間に結晶を入れると、複屈折性をもつ結晶は厚みと屈折率の差異が色の違いとなって現れる。同じ薬品を使っても毎回微妙に結晶化の条件が異なるため、同じパターンにはならず、またそこが面白いところだ。

2010年11~12月 セッケン膜の干渉色模様

セッケン膜を直径数mmの穴に張り顕微鏡で撮影した。鮮やかな色彩は光の干渉によるもので、黒い背景はセッケン分子数層のとても薄い部分。その中を、円盤状になった膜が流動的に動いていく。セッケン膜は身近であっても奥が深く、薄膜の観察対象として優れた素材だ。