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2007年 自然科学写真シリーズ

写真:伊知地 国夫

2007年1~2月 プリズムとレンズによるスペクトル

プリズムで虹色に分けた光をさらにレンズに当てると、屈折や反射を繰り返した光が重なって多様な色が現れる。自然の中の色は、太陽などの光に含まれている色が、さまざまな割合で混合して生じたものだ。

2007年3~4月 プラスチックと偏光板による干渉色模様

2枚の偏光板を暗くなるように重ね、その間にCDケースなどの透明なプラスチック板を置くと、鮮やかな色彩が現れる。プラスチックは普通、光の振動方向によって屈折率が異なる複屈折という性質を持ち、偏光板の間に置くと、服屈折の量と厚みに応じた干渉色が生じる。ケースの成型時に残ったひずみは複屈折の量に影響を与え、ひずみの様子を色の差で観察することができる。

2007年5~6月 ICチップの顕微鏡写真

パソコンや電子機器に使われているIC(集積回路)を顕微鏡で拡大撮影した。ICは、シリコン基板の上に薄膜層を積み重ねて作成され、多いもので数億個もの電子回路が組み込まれているものもある。整然と並んだ素子と配線のパターンは、工芸品的な美しさを感じる。

2007年7~8月 水風船の破裂

風船に水を満たし、針で割った瞬間を撮影。突然水を取り囲んでいた風船がなくなっても、水は慣性でその形がすぐには変わらず、一瞬風船の形をした水が出現する。針が風船を割った瞬間からストロボ発光までの時間を調節して撮影。

2007年9~10月 光合成を利用したリーフ写真

ヴァイオリンの写真を白黒のネガ状態にしてバラの葉に貼り、数時間日光に当てた。光が当たっているところは光合成でデンプンができるので、葉の葉緑素をぬいた後ヨウ素液に入れると、デンプンができているところが青紫色に変化し、ヴァイオリンの像が現れてくる。

2007年11~12月 ヤリイカの発光

ヤリイカを室温でそのまま1日~2日放置し暗闇で観察すると、青白く発光しているのがわかる。ヤリイカについていた発光バクテリアが増殖して、発光しているためだ。ホタルや夜光虫などと同じ、化学反応による発光現象である。