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2006年 自然科学写真シリーズ

写真:伊知地 国夫

2006年1~2月 シャボン玉

石けん膜をフィルムに開いている小さな穴に張り、顕微鏡で観察すると鮮やかな干渉色の模様を見ることができる。干渉色は階段状に変化し、石けん膜が多数の層からできていることがわかる。シャボン玉は身近でありながらニュートンやペランが研究したことからもわかるように奥が深く、科学に対する興味を育てる優れた素材である。「倍率 約280倍」

2006年3~4月 ミルククラウン

ミルクを平らな面に薄っすらと伸ばし、その上にミルクをたらすと、跳ね返った瞬間に王冠に似た形-ミルククラウン-ができる。落ちてきたミルクは溜まっていたミルクを押し広げ、筒状に立ち上がる。この筒の上の辺が波たち、やがて王冠の先に並ぶ球へと変化していく。ミルクの落下を赤外線で捕らえ、遅延回路でわずかに時間をずらしてストロボを発光させて撮影。

2006年5~6月 ハイビスカスのおしべと花粉

植物は花粉を運んでもらうためにいろいろな工夫をしている。ハイビスカスは花粉を鳥などに運んでもらい種子を作る。このため、花粉の表面は鳥などの体に付きやすいようにトゲがたくさんついている。 おしべの葯をスライドガラスにのせて、顕微鏡で撮影。〔倍率 約190倍〕

2006年7~8月 蚊取り線香の煙

燃えて高温になった蚊取り線香の煙は、軽くなって上昇気流を作り、一直線に立ち昇る。煙が昇るにつれて温度も下がり、流れにわずかな乱れができると、そこから次々と渦ができ始める。煙が直線から渦に変わった瞬間を撮影。 ふだん見慣れている煙にも、流体の見せる不思議な形が隠されていた。ストロボを発光させて撮影。

2006年9~10月 CDの虹

CDは1mmあたり約600本の微細な記録用のトラックが規則正しく並んでいる。このトラック間で回折した光が干渉させてスペクトルに分かれ、虹色の帯が見える。 CDの中心に合わせてロウソクの炎を置くと、円心円状の虹色を見ることができる。 現代の微細加工技術と光の波動性が生んだ虹色である。

2006年11~12月 結晶

赤インクをスライドガラスにのばして乾燥させ、インクの成分を結晶化させて顕微鏡で撮影。結晶化するにつれて、含まれている色素が分離する。ゆっくりと結晶化させると大きな結晶になるが、温度を上げて結晶化を速めると粒状の微細な結晶となる。縞状の模様(右枠内)ができるのは「リーゼガング現象」といわれ、いろいろなところで類似の模様を見ることができる。「倍率 約280倍」